令和三年(2021年)を振り返って・菅井松雲

 松雲書道会の菅井松雲会長の「令和三年(2021年)を振り返って」
の寄稿を掲載します。
『早 1年が過ぎようとしている。今年は例年にくらべ歳月が
特に早く進んでいるように感じた。正月の大雪から始まり巷
はコロナに振り回わされ、生活様式も様変わりしたようだ。
その影響で ここ2年余りは会員の皆さんと楽しく過ごす機会
がなく、コミニュケーション不足になってはいないだろうか
と心配になる事が多い。新年会、墨雲展の親睦会も大事な
行事の1つだったことを改めて実感する。大人の習い事は、
単に技術の修得だけではないということだ。何よりも人と
人の絆、つながりが大切で、そこから何かが生まれるのも
確かにあるのだということ、しかしながらコロナ禍で色々と
制約がある中、書花展、墨雲展、錬成会をほぼ例年通り開催
できた事は会員の協力、理解、努力の賜と思う。
 夏には東京オリンピックが開催され、無観客で選手達は物
足らなかったであろうが、日本中がテレビで応援し、唯一明
るい話題であった。史上最高のメダル獲得数は、いかに選手
達がこの一瞬の為に精進、努力してきたかの証しであって、
我々書道人も見習わなければならない所だと、自分自身を
戒めた。会員もその思いを感じてくれたのか春からの公募展
では、各展覧会共 最高賞をはじめ素晴しい結果を残してくれ
た。スポーツで例えるなら小生がコーチ、会員が選手といっ
たところだが その練習の成果が見事に表われた一年だった。
その一方で増々 外からは「松雲社中」包囲網、要注意、打倒
と言った感じが受け取られるのも確かで、それを打ち破る
だけの力、作品力をこれから目指していかなければ潰されて
しまう危機感もある。しかし、私は春浦調を継承しつつ、
何か新しい感覚を模索しようと思っている。簡単でない
のはわかっているが………。
 さて、2022年は「寅」年、「伸びる」「広める」の意味が
あるらしく、草木が土中で芽を出そうとしている様を表す。
堂々とか勇猛のイメージもあるが、会としては やはり例外
にもれず高齢化や小子化、芸術離れ等 マイナス要素が多く
先行きは決して明るくない。会員の減少、用品の値上りも
頭が痛い。何とか良い方向に行く方法はないものかと思案
するが役員各位、会員の「力」をぜひ貸して頂き 少しでも
明るい状況になる事を希望している。明石幸子先生が亡く
なり、これからの本部運営は今のところ未定だが当会は
ブレることなく一丸となって前へ進んでいってほしいと
願うばかりである。』
寄稿はPDFでも読めます。クリックして下さい。
『令和三年(2021年)を振り返って』